2020/05/23
皮膚とは、自己と外界とを分つ境界線である。
感覚は、皮膚を通じて浸透する。
快・不快、
視線、体温、空気感。
自律は他者への気遣いと感受性に現れ、
配慮に欠けた行動は、心の浮き雲を暴く徴憑となる。
その中で皮膚は、人間として生きる上で単に体液を外に漏らさぬためだけではない、枢要な器官であるに違いない。
皮膚の息遣いに注目し、自己を象る。
内懐で行われるこの静的行動の連続は、私の(私に対する)信憑性を高めている。
膚は基本衣類や化粧の下に隠されているにも関わらず、だ。
服を第二の皮膚と呼ぶか、体を第二の服と定めるか。
いずれにせよ、私と対象とを同時に産む(存在させる)作用は、静的動的の差こそあれ、“動作”に限った珍しい話ではないのかも知れない。
「素顔」という言葉は、私の何を指しているのだろう。